そもそも枕というのは何故必要なのでしょうか
人と枕の付き合いは、人が2本足で歩く事になった事に始まります。脊椎が首の部分は前、胸の部分は後ろ、腰の部分は前にとS字に湾曲し、脊椎にかかる力を前後に分散できるようになりました。
自然に立っている姿勢を横に。
元来4本足歩行に適した骨組みを改良して作ったものなので、完全なものではありません。
ですから、2本足で立っているだけでも、あるいは椅子に座っている姿勢でも常に脊椎は緊張を強いられています。
常に重力の緊張を強いられている脊椎に1日の中で唯一、いくぶんかやわらぐ時があります。それは、身体を横たえている時です。体を横たえて寝ているときは、立っている時に比べるとはるかに重力のかかりにくい状態にあります。
したがって睡眠中こそ、日中に疲れきった脊椎をゆっくりと休ませてあげる必要があるのです。しかし、同じ寝るにしても、寝ているときの姿勢で頚椎のリラックス度は違ってきます。
脊椎に最も負担がかからないのは、「脊椎のS字の湾曲が自然に保たれている姿勢なの」です。
これは立っているときも同じですが、立っている時は、意識しなくても、人は自分にとって最もラクな姿勢を自然にとっています。
首・後頭部と敷きふとんとの間の隙間を埋めること
意識をせずに立っている時の姿勢こそが、「脊椎のS字の湾曲が自然に保たれている姿勢」なのです。
この姿勢を寝ているときに取ってあげることにより頚椎をリラックスさせることが出来るのです。
このとき、床と身体の間に出来る隙間を埋めて、寝ている時に自然な湾曲を保つ役割をしているのが敷きふとんや枕なのです。
硬すぎたり、柔らか過ぎる敷きふとんや、頭だけに枕をしたり、高すぎる枕や低すぎる枕、偏った枕は、首や肩、に緊張を強いるので、熟睡出来なかったり、睡眠中にストレスをため、朝に起きたときに、首が痛い、肩が痛いと言った現象が起こる原因になるのです。